よくある質問FAQ

賃貸について

保証金に質権を設定するってどういうこと?賃貸借契約で借主が保証金(敷金)に銀行の質権を設定することがあるのはなぜですか?

貸借契約において、借主が保証金を銀行から調達し家主に差し入れた場合です。家主に対して発生する保証金返還請求権を、銀行に担保として質入れしたわけです。こうした場合、借主は保証金返還請求権を有しませんが、銀行には保証金の直接取立権が発生します。

賃貸契約に必要なものは何?

借主が誰になるか(個人契約か法人契約か)で、揃えるものが変わってきます。基本的に必要なものは以下の通りです。

個人契約の場合

  • 印鑑 ・契約金
  • 入居者全員の住民票 ・連帯保証人印鑑証明
  • (健康保険証又は免許証)
  • (収入証明)

法人契約の場合

  • 印鑑
  • 契約金
  • 入居者全員の住民票
  • 連帯保証人印鑑証明
  • 会社登記簿謄本又は会社案内
  • (従業員証明)

※不動産業者によって異なる場合がありますので事前に確認して下さい。また、上記のものが契約時ではなく申込時に必要な場合もあります。

連帯保証人とは何ですか?

不動産の賃貸借契約を結ぶ時には、一般に連帯保証人をつけることが必要となります。通常、連帯保証人は賃借人本人の親族であること、十分な資力のあることが条件になり、「連帯保証人引受承諾書」に実印を押し、印鑑証明書を添付することが求められます。法人契約の場合には会社が借主、社員である入居者が連帯保証人(あるいは会社の代表者が連帯保証人)という形態をとるのが一般的です。
賃貸借契約の場合に借主が負っている債務には、賃料の支払義務、原状回復義務、更新料の支払義務、目的物を損壊した場合の修繕義務などがありますが、連帯保証人はこうした義務について賃借人と同等の債務を負います。
では通常の保証人と連帯保証人とはどう違うのでしょうか。賃借人本人に代わって賃料を支払うよう督促された場合、通常の保証人は「まず本人に催促して下さい」と言える「催告の抗弁権」(民法452条)、「本人は金銭に換えられる十分な財産を持っているので、それを弁済に充当して下さい」と言える「検索の抗弁権」(民法453条)、の2つの権利を持っていますが、連帯保証人にはそれが認められません(民法454条)。不動産の賃貸借契約で必要とされるのはほぼ例外なくこの連帯保証人です。

契約更新後も保証人の債務は継続しますか?

賃貸借契約が更新された場合に、連帯保証人の責任が存続するかについては、古くは学説上で争われましたが、現在では通説・判例ともに「契約が更新されても保証人の責任は存続する」とされています。賃貸借契約というものがもともと長期に渡って継続する契約であることを重視し、保証人の存在が貸主にとっては契約継続の当然の条件となっているのが社会一般の合理的な考えであるという見解です。

貸家にしている建物を相続しますが、賃借人に建物の明渡しを請求できますか?

相続以前に賃貸借契約を締結していたのであれば、その賃貸借契約は存続します(民法第909条但書)ので、正当事由がない限り明渡請求はできません。ただし借主に賃借権についての対抗要件(建物の引渡しを受けている、または賃借権の登記をしている)が備わっていない場合は別です。

建物の抵当権が実行されると賃借人の立場はどうなりますか?

抵当権設定後に締結された賃借権は、原則として、その抵当権実行の競売による買受人に対抗することが出来ません。競売手続きが完結して、競落人が現れた場合には、直ちに明渡さなければならないのです。いわゆるオーナーチェンジによって家屋の所有者が替わっただけのケースとは大きく異なりますので十分注意してください。しかし建物の賃貸借の場合、賃貸借契約期間が3年以内であれば、契約期間が満了するまでは買受人に対抗できます(短期賃貸借の保護)。

「競売を申立てられている家屋」であると知りつつ契約して入居した。

競売開始決定の差押登記以後に締結された賃貸借契約は、短期賃貸借であっても、競落人に対して対抗できません。すでに始まっている競売手続きが完結して、競落人が現れた場合には、直ちに明渡さなければならないのです。

「保証金は次のテナントが決定した後、返還する」といった条文は有効ですか?

保証金や敷金の返還時期については明文の規定がなく、当事者で自由に決められます。ただし判例によれば、「賃貸人が次の入居者を探すのに通常必要と考えられる期間を考慮して、相当の期間を経過した時は、次の入居者が現実に決定したか否かにかかわらず、保証金返還債務の履行期が到来するものと解すべきであり、そう解することによってのみ、本件特約の効力を認定し得るものというべきである」とされ、また、「一年ぐらい経過してもなお、次の入居者が決まらない時は、貸主は借主に対し保証金を返還しなければならない」としています。

「解約の予告期間」について教えて

一般に契約書では、賃借人が契約を解約するときは「1ヵ月間の予告期間をもって賃貸人に通知する」、「解約の効果は解約の通知をした後、1ヶ月を経過した時点に生ずる」などと規定されます。つまり通知後1ヵ月間は(たとえ建物を明け渡しても)家賃の支払い義務が継続しているわけです。こうした規定はもちろん有効ですが、契約書にきちんを明記してあることが必要です。店舗の契約などではこの期間が3ヵ月、6ヵ月などと定められることが多いようです。
一方、賃貸人からの解約については、賃貸人に正当な事由がある場合「6ヶ月の予告期間をもって書面により賃借人に通知する」などと規定されるのが一般的です。賃借人に明け渡しの準備期間を与えるわけですが、これも契約書に明記してあるかどうか、よく確認してみてください。

貸主に正当な事由もなく「期間満了と同時に賃貸借契約は終了する」という特約は有効?

借地借家法で「貸主から更新を拒絶したり解約を申し入れたりするには、正当な事由がなければならない」と規定されています(第28条)。これに反する特約は、たとえ契約書に記載があっても、賃借人に不利なものとして無効となります。したがって質問にあるような特約は無効です。なお、この例外が定期借家契約といわれるものです。定期借家契約の場合、契約期間の満了により、正当事由を考慮することなく契約が終了します。

賃借人による中途解約を制限する特約は借地借家法に反しませんから有効です。ただあまりに長い予告期間を定めることは借主の不利になりますので、契約時に注意をしてください。
また借主の一方的な解約ではなく、何らかの事由による合意解約の場合はどうか、という問題もありますが、合意の内容にもよりますので、個々に判断するしかありません。保証金や敷金の返還時期については明文の規定がなく、当事者で自由に決められます。ただし判例によれば、「賃貸人が次の入居者を探すのに通常必要と考えられる期間を考慮して、相当の期間を経過した時は、次の入居者が現実に決定したか否かにかかわらず、保証金返還債務の履行期が到来するものと解すべきであり、そう解することによってのみ、本件特約の効力を認定し得るものというべきである」とされ、また、「一年ぐらい経過してもなお、次の入居者が決まらない時は、貸主は借主に対し保証金を返還しなければならない」としています。

借主に不利となる特約で、無効となるものにはどんなものがありますか?

例として、次のような特約は借主に不利なので無効となります。

  1. 貸主の側の解約に正当事由は必要ないとした特約
  2. 建物が競落された際は、どんな場合でも賃貸借は終了するとした特約
  3. 契約期間満了と同時に賃貸借契約は当然に終了するとした特約
  4. 借主が差押または破産の申し立てを受けたとき、貸主は直ちに契約を解除できるとした特約

名義の書き換えって出来る?

店舗を借りて経営していますが、このたび個人から会社に法人成りしました。賃貸契約書も名義を換えたいのですが、名義書換料は請求されるのでしょうか。契約書に譲渡・転貸の禁止はありますが、書換料などの条項はありません。
法律上、個人と法人とは別個の権利主体ですので、賃貸借の名義を個人から法人に変更するのは権利義務の譲渡にあたります。したがって外見上なんら変化がなくとも、名義書換料は請求されても仕方ないのではないでしょうか。ただしあくまでもオーナーとの話し合いですので、当事者同士でよく相談してみてください。

保証金と敷金はどう違うのですか?

保証金とは債務を担保するために賃借人から家主に預託されるもので、「敷金」と同じ意味合いを持ちますが、言葉の定義は曖昧で、実際の内容は個々の契約における約定によることになります。たとえば保証金ゆえに償却がある、など解釈は様々です。
敷金とは賃貸借契約に基づく賃貸人の債権を担保するもので、担保範囲は建物明渡しまでに生じた一切の債権まで含まれますが、債務不履行がなければ返還されるべき金銭であるとされています。明渡しに際してクリーニング費用などが敷金から差し引かれるのはあくまでも便宜上の措置です。

賃借人が倒産し、破産宣告を受けると賃貸借契約はどうなる?

借主が倒産しただけでは貸主の側から契約の解除はできません。一口に倒産といってもその後の手続によって流れが違ってくるからです。ただし、賃料不払いなど債務不履行がある場合はそれを理由に賃貸借契約が解除されることがあります。これに対し、賃借人が破産宣告を受けるに至った場合、貸主は解約の申し入れが出来ます(民法第621条)。その際、正当事由は考慮しなくて良いとされています(最高裁判例)。ただし解約の申し入れ期間は借地借家法第27条に則り、6ヵ月を置いたほうが良いでしょう。

賃貸借契約の保証人は辞任できる?

一般に保証契約を保証人の側から解除するには、それなりの理由や状況が必要で、簡単には保証人をやめられません。保証人から解除の申出を受けた貸主はこの申出を拒否することができます。賃借人は資産にゆとりのある替わりの保証人を差し入れて貸主の承諾を得るべきでしょう。

定期借地権にはどんなものがありますか

定期借地権とは、契約期間の満了により、終了・消滅し、更新がされない借地権です。定期借地権には、一般定期借地権、建物譲渡特約付借地権、事業用借地権の3種類があります。それぞれについて存続期間・契約方式・建物の用途等違いがあります。

定期借家権について教えて

従来型の借家契約では、正当の事由がない限り家主の方からの更新拒絶はできず、自動的に契約が更新されることになっています。これに対し「定期借家契約」とは、契約で定めた期間の満了により、更新されることなく確定的に終了する借家契約です。したがって、家主と借家人の双方で再契約の合意ができなければ、借家人は引き続きその建物を賃借することはできなくなります。
なお「定期借家契約」は居住用の建物に限らず、営業用の建物なども契約の対象とすることができます。
「定期借家契約」を結ぶためには

  1. 公正証書などにより必ず契約書を作成する必要があります。公正証書でなくては駄目というわけではなく、市販の契約書でも良いのですが、必ず書面で契約しなければなりません。
  2. 家主は借家人に、「この賃貸借は更新がなく、期間の満了により終了する」ことを、契約書とは別に、あらかじめ書面を交付して説明しなければなりません(もしその説明をしなければ、その契約は従来型の借家契約となります)。

「定期借家契約」が期間の満了により終了するときは、賃貸借が終了する旨の通知が必要です。「定期借家契約」の期間が1年以上である場合は、期間の満了の1年前から6か月前までの間に、家主は借家人に通知しなければなりません。この通知が通知期間を経過した後に行われた場合は、借家人は、その通知の日から6か月間は、借家契約が継続するものとして、その借家を利用することができます(その間の賃料は引き続き支払う必要があります)。
なお「定期借家契約」の期間は上限も下限も定めがありません。契約期間を1年未満に定めることもできます。

では借家人のほうから中途解約をすることはできるでしょうか?
居住用の建物(併用住宅を含む)について、それまで締結していた従来型の借家契約を途中から「定期借家契約」に変更することは、たとえ双方の合意があってもできません。これに対し、居住用以外の建物については、従前に結ばれた借家契約を借家人・家主の双方が合意して終了させ、新たに「定期借家契約」を結ぶことができます。

(注)文中「併用住宅」とは「生活の本拠として使用している店舗併用住宅」を意味します。定期借地権とは、契約期間の満了により、終了・消滅し、更新がされない借地権です。定期借地権には、一般定期借地権、建物譲渡特約付借地権、事業用借地権の3種類があります。それぞれについて存続期間・契約方式・建物の用途等違いがあります。

一般定期借地権の期間が満了すると、土地上の建物はどうするのですか?

建物は原則として地主が買い取らず、借地人が取り壊して土地を明渡すことになっています。定期借地権の場合、存続期間が長いため、期間が終了する頃には建物の価値もそれほど残っていないと予測したものです。

マンション内の水漏れは誰に賠償請求すべきなの?中古マンションに居住していますが、先日、上の階から水漏れがあり、床が歪んでしまいました。補修してもらいたいのですが、上階の住人に請求できるでしょうか?

上階の住人の不注意、たとえば水道のオーバーフローによって生じたものであれば、上階の住人に損害賠償請求ができますが、しばしば漏水するのであれば、水道管の欠陥が原因でしょうから、マンションの管理者や施工会社に調査を依頼すべきでしょう。
しかし仮に上階の住人の専有に属する水道管から水が漏れていたとしても、その住人に無過失責任を問うのは酷ではないでしょうか。
また実際、水道管の欠陥が専有部分にあるのか共用部分にあるのか明らかにするのはかなり難しいと思われます。

そこで建物区分所有法は、建物の設置または保存に瑕疵が有ることにより他人に損害を生じた場合には、その瑕疵は共用部分にあるものと推定すると規定しました。つまり、水道管の欠陥が専有部分か共用部分かを特定できなくとも、被害者はそれが共用部分に属するものとして、まず管理責任者に対して、損害賠償を請求できることになります。もし管理責任者が請求に応じない場合には、売主である不動産会社に対して、損害賠償を請求することができます。